映画「手紙」あらすじネタバレと感想 玉山鉄二ラストシーンが泣ける…

映画「手紙」のあらすじネタバレと感想を紹介します。

直木賞作家 東野圭吾の原作を2006年に映画化。原作に劣ることなく今でも高評価を得ている作品です。

特にラストシーンの玉山鉄二の演技が泣ける、号泣したと話題を呼びました。

おすすめ度は★★★★★。

2018年12月19日からはテレビドラマ「手紙」が放送予定です(主演 亀梨和也、兄 中村倫也、恋人 広瀬アリス)。

映画「手紙」の作品情報

≪公開≫
2006年(日本)

≪監督≫
生野慈朗

≪原作≫
東野圭吾「手紙」

≪脚本≫
安倍照雄 、 清水友佳子

≪キャスト≫
山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ

≪配給≫
ギャガ・コミュニケーションズ

映画「手紙」のあらすじ~ネタバレラスト

早くから両親を亡くし、大学進学を夢見ていた直貴(山田孝之)は、運送会社で働く兄(玉山鉄二)とつつましく暮らしていました。

しかし、兄は重い荷物を持つ仕事柄、腰を痛めてしまい仕事がままならないように。

弟の大学進学の費用欲しさに魔が差した兄は、空き巣に入り、帰宅した老婦人と争ったはずみで殺害してしまいます…。

そこから直貴の生活はガラリと変わりました。

兄の事件をきっかけに大学進学をあきらめ、住むところや職場を転々とするようになります。

新しい職場では決して誰とも仲良くならず、人目につかぬようひっそりと暮らしていきます。

唯一の親友は祐輔でした。直貴の兄の事件を知っており、良き理解者であり、漫才の相方です。

二人は人目につかないところで漫才の練習を重ね、ライブに出られる程になり、ついにはテレビからも声がかかるようになります。

仕事も順調になり人気も出て、恋人もできて、夢が叶ったと思った矢先、兄の事件が明るみに出てしまいます。

恋人の父親から別れるよう手切れ金を渡され、これから相方の祐輔にも迷惑がかかると察した直貴は、「お金持ちの彼女の玉の輿に乗る」と作り話をしてコンビを解散します。

 

しばくして、直貴は電機量販店で働くことになります。

しかし、上司からも一目置かれるようになった頃、店に強盗が入り荒される事件が発生。

警察の捜査により会社に兄の事件を知られてしまった直貴は、倉庫係に移動させられます。

直貴は、兄への憎悪と世間からの誹謗中傷・差別に怒り震え上がり、これまでやり取りを続けていた兄への手紙をやめ、新しい住所も教えませんでした。

ただ黙々と仕事をしている直貴のところに、会社の会長が訪れ、直貴の心の叫びを的確に言いあてます。

同じ職場の食堂室に働く由美子(沢尻エリカ)が、会長に手紙を出していたのです。

そこには直貴が兄の事件により、周囲から受けた仕打ちに悩み、苦しんだ姿がつづられていました。

会長は、由美子の存在が直貴にとっての救いだと諭します。

 

その後、直貴と由美子は結婚し、娘も生まれて幸せに暮らしていました。

しかしある日、娘と公園に出かけていると、母親達が子供たちを連れて急いで公園から去っていきます。

「人殺しの娘なの?」という幼い娘からの問いに愕然とします。

直貴の兄の事件が原因で、娘は仲間はずれにされていたのです。

直貴は「自分は我慢できるが、妻や娘には同じ苦しみをさせたくない」と、兄に最後の手紙を送ります。

そこには『事件から今までに受けた仕打ちや境遇、そして今娘まで同じ苦しみを味わっている。だから兄との縁を絶つ』としたためます。

そして、けじめをつけるべく初めて被害者遺族の元を訪ねたところ、兄から送られてきたという手紙の束を見せられます。

兄からの最後の手紙を受け取った被害者遺族から「お互いもう終わりにしましょう」と涙を流しながら帰されました。

その頃祐輔からは、刑務所の慰問に行くので、1度だけのコンビ復活に協力して欲しいと頼まれます。

1度は断りますが、兄のいる刑務所に行くと聞き引き受けます。

久しぶりのステージでしたが、祐輔との息の合った漫才に会場は笑いの渦に包まれました。

ふと客席の方を見ると、拝むように目をつむり涙しながら聞いている兄の姿があります。

言葉に詰まる直樹でしたが、「バカな兄貴」の話をして会場を沸かせます。

ステージの上から大好きな兄に向けて送った温かいメッセージであり、そこには消えることのない兄弟の絆がありました。

 

映画「手紙」の感想

涙が止まらず号泣してしまう、これまでに一番泣けた映画でした。

でも、この映画は感動の物語ではなく、実際に起こりうる辛い現実の話です。

兄の事件以来、周囲からの冷たい視線や仕打ちに追い込まれ、住まいや就職先を転々とし、人との接触を避けるようになった直貴。

犯罪者の弟ではあるけれど、直貴は何も罪を犯したわけでもない。

漫才で成功をおさめるようになり楽しそうに笑う姿に、事件がなければこれが本当の直貴の顔だったのに…と切なくなります。

 

この映画には沢山の手紙が出てきます。

そこには書いた人の思いがたくさん込めてあり、読む人の心に刺さります。

兄の手紙からは、けっして悪人ではない、弟思いの優しい人柄が見えます。

閉ざされた塀の中で罪を償いつつ、唯一の楽しみとしていたのが直貴からの手紙。その手紙がこない時の落胆する姿は涙を誘います。

 

直貴が娘のいじめを知り、兄に最後の手紙をつづるシーンも泣けます。

元々は仲の良い兄弟なのに、事件をきっかけに直貴の心はすさんでいき、娘を守るために決断した兄との決別はとても苦しく感じました。

そして、事件に整理をつける気持ちでたずねた被害者遺族から見せられた、兄からの手紙の束…。

最後の手紙にある『自分の存在が周囲を不幸にし罪を犯し続けている。手紙を出すのはもう最後にします』との内容に、なぜこんなに優しい人が犯罪者になってしまったのかと悔しくて悲しくてたまらなくなります。

 

会長が登場するシーンは淡々としていますが、何度か見る中でクライマックスに向けての重要な場面だと気づきました。

『 逃げるな、ここで生きていけ』という会長からの言葉。

娘が1人ポツンと遊んでいると、1人また1人と一緒に遊びはじめるシーンには心から安堵しました。

それから、直貴が刑務所での漫才で兄の姿を見つけ、思わず言葉に詰まりつつも『バカな兄貴だけど一生俺の兄貴だ』と舞台の上から兄に伝えるシーン…。

これだ、会長はこれが言いたかったんだ!!

『逃げるのは簡単、ここにとどまって闘え』と。

誠実に生きていれば、遠くから見ていた人も、段々近寄ってきて1人、2人と増えていく。

親友の祐輔からはじまり、由美子や会長、遺族が分かってくれたように。

会長の言葉は、私の心の中に深く刻みこまれました。

辛い現実から逃げるだけでなく、立ち向かい強く生きていきたい。そんな生き方を教えてもらえました。

 

さいごに

誰でも悩みはあります。答えは分かってもどうにもならないこともあります。

それでも頑張れ!と振るい立たせる力がこの映画にはあります。

現状的にこういった境遇の場合、差別とか偏見に対する悩みに苦しんでいる人は多いと思います。

ネット社会となった今、知らない間に個人情報が漏洩される時代だからこそ、改めて見て考えてほしい作品です。

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