映画「累-かさね-」あらすじ~ネタバレラストと感想

松浦だるまの漫画「累」が土屋太鳳と芳根京子の二人で実写映画化されました。

妖艶で、ビジュアルが似ている二人の映画ポスターが目を引きますよね。

映画「累」のあらすじネタバレと感想を紹介します。

おすすめ度は★★★★☆!

映画「累-かさね-」の作品情報

≪公開≫
2018年(日本)

≪監督≫
佐藤祐市

≪原作≫
松浦だるま 漫画「累」

≪脚本≫
黒岩勉

≪キャスト≫
土屋太鳳、芳根京子、横山裕、檀れい、浅野忠信

≪配給≫
東宝

 

映画「累-かさね-」のあらすじ~ネタバレラスト

 

顔に醜い傷を持つが、抜群の演技力を持つ淵累(ふち かさね)。

美しい顔を持つが、女優として伸び悩む丹沢ニナ。

2人は、ニナのマネージャーである羽生田釿互によって引き合わされる。

累は亡き母から、キスをした相手と顔が入れ替わる不思議な口紅を形見としてもらい、大切にしていました。

そしてなぜか口紅の存在を知っていた羽生田のすすめにより、二人の顔を入れ替えて、新進気鋭の舞台演出家 烏合零太のオーディションを受けることになります。

 

累の演技力で見事合格したニナは、累を利用して女優として有名になろうと企てます。

やがて舞台の稽古がはじまると、累がニナの顔を奪う時間が増えていきました。

稽古に充実した毎日を過ごす累に対し、醜い顔になったニナは自由に行動できず、累に対して不満を持つようになります。

「累は所詮ニセモノにすぎない」と羽生田にたしなめられるものの気持ちがおさまらず、累から自分の顔を取りもどし稽古に乗り込んでしまいます。

しかし、烏合に演技の未熟さを指摘され、累との演技力の差を改めて目の当たりにすることに。

ニナはさらに烏合とのデートも奪うが、累の内面に見せられた烏合にあっけなくふられてしまう。

そんな中、ニナは持病を発症し、数ヶ月間眠り続けることになる。

やっと目覚めたときには、すでに累が自分の顔を使って女優として確固たる地位を手に入れていた。

 

累に完全に乗っ取られることを恐れたニナは、舞台『サロメ』の本番中に累の顔をさらして、彼女の舞台を失敗させようと仕組む。

しかし、その作戦さえも累に見抜かれてしまう。

ニナの顔を巡り、もみ合いになった二人は、ガラスを突き破り転落…。

ニナが大怪我を負った一方で、彼女の顔を再び奪った累は、『サロメ』の舞台に戻っていく。

 

映画「累-かさね-」の感想

とても考えさせられる映画でした。

美しい顔を持つニナと、醜い顔に劣等感を持つ累。

「累より優位な立場にいる」と最初の頃は余裕を見せていたニナですが、累が成功をおさめるにつれて徐々に焦りを見せはじめます。

それは、今まで感じたことのない「劣等感」を感じたからでした。

演技が下手なこと、内面が薄っぺらいことなど…顔が美しいことで何となくごまかされてきたことが浮き彫りになり、自分の武器が全くなくなってしまったのです。

そうして最後に残ったものは「劣等感」。

見ていて辛くなりました。

 

累は、ニナが女優として成功するために利用しているに過ぎないニセモノです。

しかし、まるで累に全てを奪われてしまったような恐怖を感じるのです。

そしてその焦りや恐怖によって、ニナの醜い内面がどんどんと引き出されてしまいます。

 

一方、累が顔を交換して得たものは、「美しい顔」だけではなく、自信や周りからの肯定的な視線・態度。

そしてそれらは、彼女が元々持つ演技力や内面を引き出していきました。

 

「顔」という表面的で分かりやすいものを交換していますが、それによって影響を受けるのは見た目だけではないということ。

人は誰しも、何かしらの劣等感を持ったことがあると思います。

劣等感は、ただネガティブな感情にさせるだけでなく、その人の行動にまで影響を与えてしまうんです。

 

主演の土屋太鳳さんと芳根京子さんは、見た目が似ています。

それがまた「劣等感」というものを分かりやすく助長させています。

なぜなら、劣等感は自分と似たもの、近いものに感じやすいものだから。

同じような要素を持っているのに、微妙な差で相手に負けている、なぜか相手の方が認められる、このような状況になったとき、相手に対して劣等感を感じやすくなります。

ビジュアルが似ている二人が演じることで、「劣等感」という難しいテーマを理解されやすく表現しているのは流石でした。

 

それから、一番印象的だったのは最後のラストシーンです。

累から顔を奪い返そうとしたニナが、結局作戦を見抜かれていて、二人はもみ合いになります。

累に完全に敗北したニナは絶望します。

顔を奪った累のやり方は、もはや醜いとしかいいようがありません。

しかし、累は自分自身の成功を求め、実際に舞台では華々しい成功をおさめます。

結局は、見た目の美しさは心の醜さを隠してしまうのか…。

なんだか複雑な思いになり、考えさせられてしまう映画でした。

 

さいごに

テーマが深く、ラストもハッピーエンドではないのでもやもやするかもしれませんが、見ごたえがある映画だと思います。

劇中劇として『サロメ』が登場しますが、それとのリンクも面白いですよ。

オーディションからスタジオでのリハーサル、本番の舞台、舞台裏に至るまでの舞台シーンなど、演劇好きにも楽しんでもらえる映画だと思います。

ぜひ楽しんでください♪

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